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~商社マン視点シリーズ~
こんにちは!すてっぷらくだ(https://twitter.com/step_rakuda)です。
今回は難しいテーマですが、仕事ができない・しない人への対処法について商社マン視点で語ろうと思います。
「管理職に就いているんだけど、一部の部下がなかなか仕事をしてくれなくて、どうしていいかわからない」
そんな方向けに記事を書いていきたいと思います。
筆者が伝えたいことがこちらです。
それでは詳細をお話します。皆さん最後まで是非見てみてください!
目次
働きアリの法則から組織論を学ぼう
働きアリの法則とは
働きアリの法則とは、組織の中で一生懸命に働いているのは全体の2割でしかないという法則で、「2:6:2」の法則とも言われています。
働きアリのうち、積極的に仕事をこなすのは2割とされていて、あとの6割は普通に働くアリ、2割はさぼっているアリで構成されています。
この割合は、集団を変えても同じようなグループに分かれることが明らかになっているようです。
つまり、2割の「優秀な働きアリ」たちばかりを集めたグループをつくったとしても、時間とともにいつの間にか「2:6:2」に分かれてしまう。また、同じように、働かない2割のアリばかりを集めた集団でも同じ変化が起こることわけです。
働きアリの法則は人間の組織論でも当てはまる
実はこの働きアリの法則、人間にも当てはまるんです。
2割の優秀な従業員が会社の業績の大半に貢献し、6割の普通の従業員が仕事をそれなりにこなし、残り2割が「働かない」とされる。
このような状態が、人間の組織にも応用され、働きアリの法則と言われています。
より詳細情報としてReskillのwebページをを紹介させていただきます。
参考:Reskill 働きアリの法則に学ぶ企業力の底上げ働きアリの法則に学ぶ企業力の底上げ【活用方法論のまとめ】多くの人が集まって組織が形成されると、その中でさまざまな人間関係が生まれたり、スキルに差が出てくる。そこで、今回は働きアリの法則についての基本的な概要の説明とともに、組織作りへの活用の仕方についても紹介する。
しかし、本当に人間の組織にも当てはまるのでしょうか?
以下は、わたくし すてっぷらくだが商社マンとして様々な組織で働いて、経験した「働きアリの法則に関する実体験」とより具体的な本法則の活用方法を紹介したいと思います。
筆者の経験:悩みに悩んだ組織マネジメント
仕事が”できない”人との出会い
紹介するのは、私が海外駐在時に1つのグループのマネージャーを任されたときのお話です。
グループの人数は12名程度。当時初めてのマネージャー経験となるので、緊張とワクワク感が入り混じって業務にあたっていました。
当然、人間は十人十色。いろんなタイプのメンバーがいました。
バリバリ働く人や、そつなくこなして程々に仕事を切り上げる人、しかしその中で明らかに仕事ができない人(ここではAとします)がいました。
Aのことを調べてみると、2年前に私の前任の上司が採用した人材で、別の大手総合商社から中途で入社したようです。
「大手の●●商社の人材だから安心だね!等級も高い位置からスタートさせて大丈夫だろう!」
そんな気持ちで、当時の採用者は考えたのかもしれません。(前任も当時の採用者も今は既に日本に帰任している)
しかし蓋を開けてみると、そんな淡い期待は覆されます。
Aは、期待されているような経験や実績はほとんどなかったのです。さらに呑み込みが悪いし、仕事に対して意欲的でもない。
当時の上司達も何とかAを育てようと頑張ったみたいですが、最終的には匙を投げたようです。
そしてそんな時に赴任してきたのが、わたくしすてっぷらくだ。
初めてのマネージャーということもあり、やる気だけは120%。
「私がAを育てます!!」意気込んていました。
Aが成長できるように全力で指導するも・・・
Aを成長するために本当に全力で取り組んだと思います。
Aに求められている期待値がどこまでなのかをはっきりさせ、行動一つ一つにフィードバックを行い、問題があれば指摘する、時には私が前線に立ち、仕事の方法を教える。
それ以外にもやらなければならないことは山ほどあります。
その中でも「Aを育てる」というテーマは私にとって、かなり優先順位の高いものとして、活動していました。
しかし、教える側がどんなに熱意があったとしても、教えられる側に熱意がなければどうしようもありません。
いくらAに教えても、表面上は理解したつもりでも、少し時間が経てば忘れてしまう。
Aからすると、「自分がやらなくても、すてっぷらくだがやってくれるから」とさえ思われていたかもしれません。
そう、Aは働きアリの法則でいう、2割の”働かない人材群”で、個人に対してどのような教育のアプローチを行っても、変化することはなかったのです。
評価で対応するも、泥沼へ….
どのようなアプローチを施しても、何も変わってくれないなら・・・・・
残念ながらそれに応じた評価を下すしかありません。
マネージャーを経験したことがある方は理解してくれると思いますが、
人の評価を低くつけるのは相当の勇気とエネルギーがいります。
当然本人には納得してもらえるまで、何故そのような評価を付けたのか説明しなければなりませんし、反発も想定されます。何より人様の人生が少なからず関わってくるため、心労は本当に大きいです。
一般的に、そのような心理状況に陥り、評価を中央値よりにすることを中心化傾向といいます。
中心化傾向に関して、詳しく知りたい方は、以下参考リンクをご参照ください。
参考:Ieyasu 中心化傾向とは?【中心化傾向とは?】適切な人事評価のために。原因と悪影響、対策まとめ | 勤怠打刻ファーストあなたの会社の社員は、人事評価制度に満足できているでしょうか?評価は適切にできているでしょうか? 社員皆が納得する人事評価制度を構築し、かつ適正に運用していくことは、会社にとって重大かつ困難な課題です。 適正な人事評価にするために、評価者が陥りがちな心理傾向である「中心化傾向」を知っておきましょう。
しかし、私はそれでも低い評価を下さなければならないならないと思っていました。
なぜなら正当な評価を付けなければ、それ以外に頑張っている方々に対してフェアではないから。
覚悟の上でAに対し、低い評価を伝えました。
結果は、悪い意味で予想どおり。
Aは怒り狂い、私の説明も聞いているようで聞いていません。
評価フィードバックを終えると、人事に対して「如何に私がダメなマネージャーなのか」をメールで送りつけ、嫌がらせをする有様。
まぁ、事前に人事には私がAに対して低い評価を付けることは伝えていましたし、その理由もしっかり説明しています。またどうやらAの評判は私が説明しなくとも人事も把握していたので、その点に関しては、痛くも痒くもありません。
ただ、想定していたケースではあったのですが、正直それでも私の心労は相当なものでした。
Aのモチベーションは、(最初からないが)落ち、私の指示も昔以上に効いてくれません。
周囲に対する「示し」はついたといえばついたのですが、「組織力の底上げ」という観点では、効果が出ない結末となりました。
働きアリの法則で自分の組織を考えてみた
今回の一件で、私も振り返ってみました。
どうすれば、Aは成長できたのだろう?
どうすれば組織として良い方向に向かうことができたのだろう?
そう考えているとき、働きアリの法則をふと思い出しました。
「そうか、Aは2割の”仕事をしない人材群”に位置していたのか。そうすると、その人材群だけをいくら注力してレベルアップを図っても意味ないのでは?」
「むしろ2割の”仕事をしない人材群”が不変な存在なのであれば、その2割がいるからこそ、残りの8割が働くことができると考えることができるのではないか?」
そうなんです、働きアリの法則で組織を考えてみると、2割の”仕事をしない人材群”は絶対存在します。
もしかすると、残り8割の人材群の心理状況として、「2割側の人間ではない!もっと仕事を頑張らなければ!」と思ってもらえる可能性もあります。
そう考えると、2割の”仕事しない人材群”に対しての存在意義が出てきますね。
それ以降、私はAをターゲットとして指導を行うアプローチはやめました。
日本最大級のまなびのマーケットリーダーができることなんて限られている。チームで組織の『底上げ』を行う。
アプローチを変えてチーム全体の底上げを行う
私はAをターゲットとして指導を行うアプローチはやめ、全体の底上げを狙うアプローチに切り替えました。
今回の場合、2割の”仕事を積極的に行う人材群”、6割の”普通に仕事をこなす人材群”に対して様々な施策を行います。
この場合、手広く各メンバーと接するため、一人ひとりに対しての指示や、指導を行う量は当然落ちてしまいます。
しかし、私は前回の失敗があったため、この方法でマネジメント方法を行ってみました。
そして活動を続けて、しばらくした時、ふと気づきました。
組織のメンバー10割が能力向上していたのです。
リーダーは先導者であって、独裁者ではない
何故、このような良い結果になったのでしょう。
考えてみると当然かもしれません。
マネージャー、つまりリーダーは組織を良い方向に向かわせる先導者の役割を持ちます。
しかし、それは組織のメンバー個人に対し、あれこれ細かい指示を行うのとは少し違います。
また、全て一人で決める必要だってありません。別に独裁者ではないのだから。
組織には第二、第三の先導者がいます。リーダーは彼らと議論し、”チームで”良い方向に向かえばいいのです。
働きアリの法則で再度考えてみる
今の話を、再度働きアリの法則で考えてみます。以下の図はそれを表したものです。
赤が2割の仕事ができる、緑が6割が普通に仕事ができる。青は仕事ができない。
上図の場合、赤色の人材群が”仕事ができる人材群”、緑色の人材群が”普通に仕事する人材群”、青色の人材群が”仕事をしない人材群”とします。
また、それぞれの人材群の各メンバーの能力値も書いてみました。※能力値は仮なので、数値自体に特に意味はありません。
まず、最左の図ですが、私は”仕事ができる人材群”と”普通に仕事する人材群”に対して、手広く彼らの能力が上がるような施策を打ちました。真面目に仕事を行ってくれる彼らは、徐々に能力が高まり、中図の赤色のグラフのように能力値が上昇します。
そして、先ほど述べましたが、組織には第二、第三の先導者(リーダー)がいます。彼ら後輩たちに指導を行い、それぞれのやり方で各メンバーの能力を高めるよう対応します。
もちろん、その中には2割の”仕事をしない人材群”もいます。
そして徐々に2割の”仕事をしない人材群”も能力が高まっていくのです。
この場合、過去私が失敗した事例と何がちがうのでしょうか?
それは、私が働きアリの法則を無視して”仕事をしない人材群”の能力を高めようとしたからです。
”仕事をしない人材群”の能力を高めることができれば、当然6割の”普通に仕事する人材群”に移行します。
しかし、働きアリの法則だとそれは難しいんです。2:6:2の割合が不変であるから。
では、今回の施策だとどうでしょう?
今回は、特定のメンバーに絞っていないため、2:6:2の割合は変えていません。
先に、”仕事ができる人材群”と”普通に仕事する人材群”の能力値が高まることで、”仕事をしない人材群”もチームに引っ張られて自然と成長することができるのです。
まとめ【仕事ができない・しない人への対処法】働きアリの法則を用いて徹底分析
いかがでしたでしょうか?
今回は、働きアリの法則に基づいたリーダーシップ論をお話してみました。
ただ、ブログを書いて一つ「注意してほしいな」と思うことがあります。
今回、働きアリの法則である2:6:2は”基本的に変わらない”と言いましたが、別に「2割の”仕事しない人材群”の各個人は永遠に”仕事しない人材群”に入る」と説いているわけではありません。
リーダーは当然平等に成長の機会を与える必要があります。2:6:2の構成が変わらなかったとしても、全体の底上げはできますし、構成する人材の入れ替えは当然起こり得るということをご理解ください。
最後にまとめです。
スタディサプリENGLISH(新日常英会話コース)今日はこれまで!
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